独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は10日、カメラベースの先進運転支援システム技術を開発するイスラエルのモービルアイと協力に関する合意書に署名した。自動運転や運転支援システムの開発のベースとなる高精細度ナビゲーションマップの作成で協力する。2018年に自動運転用の新たなナビゲーションスタンダードを実現する目標を掲げている。
具体的には、モービルアイが開発したカメラベースのナビゲーションマップ・位置情報技術「ロード・エクスペリエンス・マネジメント(REM)」をVWの車両に搭載し、最新の交通情報を反映させたナビゲーションマップを作成する。VW車を通して車線標示や道路状況などの情報をクラウドシステムに収集し、高精細度のナビゲーションマップに反映させていく。
モービルアイの共同創業者であるアムノン・シャシュア最高技術責任者(CTO)は、「VWの提携はひとつのターニングポイントだ」との見解を示す。クラウド技術を活用した高精細度ナビゲーションマップの作成だけでなく、「今回の合意できわめて重要な点は、自動運転に必要な地図コンテンツを自動車メーカーが業界全体で協力して作成するための枠組みを提供していることだ」と述べ、VWとの提携を将来、業界全体の協力に広げていくことに意欲を示している。