BMW 、MINI電気自動車をドイツ工場で生産も=独紙

独高級車大手のBMWは傘下の小型車ブランドMINIの電気自動車をドイツの工場で生産する可能性を検討しているもようだ。英国のメイ首相が明らかにした欧州連合(EU)離脱に関する政府の基本方針が、EU単一市場からの撤退を含めた「ハードブレグジット(強硬離脱)」となったことを受けた措置で、ドイツのライプチヒ工場とレーゲンスブルク工場が候補に挙がっているほか、MINIを受託生産しているオランダのVDLネッドカーも検討の対象となっているという。2月27日発行の独経済紙『ハンデルスブラット』がBMWグループ筋から得た情報として報じた。

BMWは英国にMINIとロールスロイスの2ブランドの生産拠点を持つ。MINIのオックスフォード工場では昨年、21万973台を生産。ロールスロイスは年約4,000台(2015年:3,848台)を生産している。『ハンデルスブラット』紙によると、BMWグループは英国で生産した車両の約8割を輸出しており、その半数以上がEU向けであるという。さらに、英ハムス・ホールにあるエンジン工場では4気筒エンジンをドイツの工場に輸出している。また、ロールスロイスに搭載する12気筒エンジンはドイツのディンゴルフィング工場から出荷している。

英国政府は、EU離脱交渉で自動車産業がEU市場に自由にアクセスできる貿易関係の構築を目指す方針とも見られているが、自動車メーカーが英国の生産拠点を他のEU加盟国に移管すれば、移管先のEU加盟国にとっては雇用拡大などの利点が生まれるため、英国の“いいとこ取り”の貿易関係の実現は困難との見方も出ている。

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