ドイツの高級車大手BMWとレンタカー大手シクストが共同展開するカーシェアリングサービス「ドライブナウ(DriveNow)」に合弁解消の憶測が浮上している。BMWと独自動車大手ダイムラーとの間に、「ドライブナウ」とダイムラーのカーシェアリングサービス「カー・ツーゴー(Car2Go)」のバックエンド業務を統合する協議が進められていることが背景にある。独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』(3月14日付)が報じた。
同紙によると、BMWとダイムラーの協議は数カ月前に明るみになった。両社は、それぞれの「ドライブナウ」と「Car2Go」の各ブランドは残しつつ、IT技術なども含めたバックエンド業務を統合する方向で協議しているもよう。
ただ、BMWとシクストが2011年に設立したカーシェアリングの合弁会社は、両社の折半出資となっているため、合弁解消にはシクストの合意が必要となる。「ドライブナウ」は、ドイツのほか、ブリュッセル、ロンドン、ウィーン、コペンハーゲン、ストックホルム、ミラノなど欧州の主要都市でサービスを展開しており、登録会員数は現在、約81万5,000人に達している。
シクストは、『フランクフルターアルゲマイネ』紙の取材に対し、合弁解消の憶測についてBMWからは何も聞いておらず、シクストの持ち分に対する買収提案も受けていない、と回答している。
同紙によると、プライベート・エクイティ投資会社ウォーバーグのアナリストは3年前に、シクストのドライブナウの持ち分は約1億8,000万ユーロで、ドライブナウ全体の企業価値は3億6,000ユーロであると試算したという。ドライブナウの企業価値はさらに高まっているとみられ、BMWがシクストとの合弁解消を望んだ場合、巨額の資金負担が発生する可能性があるという。