新車バンのCO2排出量、16年は2.7%減

欧州環境庁(EEA)が20日公表したリポートによると、2016年にEU域内で登録されたバン(屋根付き商用車)の二酸化炭素(CO2)排出量は走行1キロメートルあたり平均163.8グラムで、前年に比べ2.7%改善した。これは13年以降で最大の改善幅。EUは17年までに新車バンのCO2排出量を平均175グラム以下に抑える目標を掲げていたが、13年の段階ですでに達成済み。昨年はこの水準を6.4%下回ったことになる。ただ、EUは20年までに新車バンのCO2排出量を平均147グラム以下に抑えるという目標を掲げており、EEAは早期達成に向けてさらに取り組みを加速させる必要があると指摘している。

リポートによると、16年にEU域内で新車登録されたバンは前年比9%増の約160万台に上り、ラトビア、チェコ、フランスを除く25カ国で新車登録台数が前年の水準を上回った。販売台数が最も多かったのは英国で全体の22%を占め、フランス(18%)、ドイツ(15%)、イタリア(11%)と続いている。登録台数の内訳はディーゼル車が全体の96%を占め、電気自動車とハイブリッド車の登録台数は合わせて1万177台と、全体の0.6%にとどまった。

一方、新車バンのCO2排出量は販売されているモデルなどによって国ごとに大きなばらつきがある。走行1キロメートルあたりのCO2排出量が最も少ないのはポルトガルの平均140.5グラムで、ブルガリア(141.5グラム)、キプロス(143.7グラム)と続いている。これに対し、スロバキアは平均185.6グラムとCO2排出量が最も多く、チェコ(183.8グラム)やドイツ(178.8グラム)もEU平均を大幅に上回っている。

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