独自動車大手のダイムラーは22日、ドイツ東部のザクセン州カーメンツにあるリチウムイオン電池工場で第2工場を建設するための定礎式を行った。式典には、ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長のほか、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、ザクセン州のスタニスラフ・ティリッヒ首相も出席した。
第2工場の建設より、カーメンツ工場の生産・物流面積は従来の4倍の約8万平方メートルに拡大する。ダイムラーは約10億ユーロを投資してバッテリーシステムの世界的な生産体制を構築する計画。このうち約5億ユーロをカーメンツ工場に投資する。
カーメンツの第2工場は2018年半ばに操業を開始する予定。カーメンツ工場で生産したリチウムイオン電池は、メルセデス・ベンツおよびスマートブランドのプラグインハイブリッド車や電気自動車に供給するほか、定置用リチウムイオン蓄電池を開発・販売する子会社メルセデス・ベンツ・エナジーにも供給する。
また、ダイムラーは、48ボルトシステムを今後、様々なモデルシリーズに順次採用していく方針を示しており、カーメンツ工場では、48ボルトシステム用の電池も生産する。
ダイムラーは2016年のパリ・モーターショーでEモビリティに特化したメルセデス・ベンツの新ブランド「EQ」を発表した。最初の「EQ」ブランドの量産モデルはドイツのブレーメン工場で生産する。将来は、ドイツのシンデルフィンゲン工場で上級・高級クラスのEQモデルを生産する計画。48ボルトシステムは「Sクラス」の新型車に最初に採用し、順次、他のモデルシリーズにも導入していく方針を示している。