ネット通販世界最大手の米アマゾンは将来的にヨーロッパで自動車販売市場に参入することを計画しており、これに向けて専門人材のヘッドハンティングを強化しているもうようだ。アマゾンの自動車部門を率いることになると自ら語るクリストファー・ミュラー氏が独自動車専門紙『アウトモビルボッヘ』に明らかにした。ミュラー氏は今年初めまで、世界的な経営コンサルタント会社オリヴァー・ウィマンの自動車産業担当のパートナー(共同経営者)を務めていた。一方、アマゾンは自動車販売市場への参入についてまだ言及していない。
アマゾンの欧州における自動車販売事業の拠点はルクセンブルクとなるもよう。最初のテストマーケットとして英国が挙がっている。専門家たちは、アマゾンは販売プロセスの大部分を独自に展開するだろうと予想している。
今回の報道を受け自動車販売業界には不安が広がっている。Mobile.deのマルテ・クリューガー社長は、基本的には競合しないが、ITのガリバー、アマゾンの動向を注視する必要があると語る。一方、自動車販売ネット仲介サービスを手掛けるマイン・アウトのアレクサンダー・ブッゲ社長は、アマゾンが実際に自動車販売市場に乗り込んできた場合は大変なことになるとし、危機感をあらわにした。