ドイツの自動運転に関する倫理委員会、ガイドラインを提出

独連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)のドブリント大臣の主導で発足した自動運転車に関する倫理委員会は6月20日、自動運転システムのプログラミングに関するガイドラインをまとめた報告書を提出した。

同報告書では20のガイドラインをまとめており、自動運転および車両のネットワーク化(コネクテッドカー)は、人による運転よりも事故が減少するのであれば、倫理的に望ましいとの立場を示す。また、◇物的損害が常に人的損害の先に来る(危険な状況では人命の保護を最優先する)◇事故が不可避の状況において人をいかなる特徴(年齢、性別、身体や知能の特質など)によっても評価(差別)してはならない◇いかなる運転状況においても、誰(人またはコンピューター)が運転しているかを明確に規定・認識できなければならず、(特に責任の所在を解明するため)誰が運転しているかを記録・保存しなければならない◇車両データの提供および活用については、原則としてドライバー自身に決定権がある(データに関する主権)――などを明記している。

この倫理委員会は、倫理、法律、技術などの分野の研究者や専門家14名で構成され、例えば、法律学、情報科学、哲学、神学、交通分野の専門家や、消費者保護団体、業界団体の代表などが参加している。委員長は、連邦憲法裁判所の元裁判官であるウド・ディ・ファビオ氏が務めている。

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