スイスの自動車部品大手オートニウムは6月21日、独自動車部品メーカー、STSグループにブラジル南東部のベチンにある工場を売却した。不景気が続く南米、とりわけブラジルではここ数年需要が低迷していた。オートニウムはベチンの工場を売却し、生産能力を調整する。STSグループはベチン工場の従業員約90人を引き受ける。
オートニウムはスイスのヴィンタートゥールに本社を置き、自動車向けの軽量防音・断熱コンポーネントなどを生産している。世界20カ国以上に約50の拠点を持ち、従業員数は約1万1,000人。南米ではブラジルに3生産拠点、アルゼンチンにも1生産拠点を持つ。
STSグループは独ミュンヘン近郊のハルベルクモースに本社を置き、乗用車および商用車向けに軽量防音・耐振コンポーネントなどを生産している。世界4大陸に16の生産拠点を持ち、売上高は4億ユーロ。従業員数は約2,700人。主要取引先のほとんどがブラジルに生産拠点を持つため、今回のベチン工場の買収で現地供給能力を強化する。