独自動車部品大手のコンチネンタルはこのほど、オキシメチレンエーテル(OME)と呼ばれる人工燃料を使用した試験用車両の路上での走行試験を実施したと発表した。その結果、現行のディーゼル車のエンジンではOMEを15%の割合で混合しても問題なく走行することが分かったという。同社では、電気駆動車が普及するまでの橋渡し役となる技術としてOMEを環境負荷の軽減に活用できるとの見解を示している。
OMEは、発電所などから排出される二酸化炭素(CO2)を使用して生産することができるため、生産工程を通してCO2の削減に寄与することができる。また、OMEは燃焼時にほとんど煤(スス)が発生しない利点もあるという。
ただ、現時点ではOMEの生産コストの高さが課題となっているため、OMEの段階的な導入が有効との考えから、ディーゼル燃料に混合できる割合を見極める走行試験を実施した。
今回の試験では、バイオ燃料を7%の割合で混合したディーゼル燃料にOMEを15%の割合で混合した。この結果、走行1キロメートル当たりのCO2排出量を約8グラム削減することができた。
コンチネンタルは、エネルギー業界や化学業界と自動車業界の連携により、純粋な電気自動車が普及するまでの間の環境負荷を低減するための技術として、OMEのような人工燃料を活用することができるとの見解を示している。例えば、大型貨物車両では、車体重量や積載量の関係から電動化に時間がかかる見通しであるため、人工燃料の活用が有効になると指摘している。