独ダイムラー、バン部門がライドシェアリングに参入

独自動車大手のダイムラーは4日、軽商用車部門のメルセデスベンツ・バンが米新興企業のViaと合弁会社を設立し、欧州でのライドシェアリング(相乗り)サービス事業に参入すると発表した。年内にもロンドンでサービスを開始し、その後、欧州の大都市にサービスを拡大する。また、ライセンス契約により、外部の公共交通サービス事業者も合弁会社の技術を利用できるようにする。合弁会社の本社はアムステルダムに置く。

Viaは2013年9月にニューヨークで相乗りサービスを提供するプラットフォームの運営を開始した。携帯端末のアプリを通して同じ方向に移動したい人が専門ドライバーの運転する車両に同乗できるサービスを開発した。出発と到着の場所を入力すると、効率の良い走行ルートを算出し、走行ルートの途中で同乗者が乗車したり、降車したりできるシステム。ライドシェアリングは、公共交通機関のサービスを補完したり、都市部における交通量を削減する効果があるとされている。Viaは現在、シカゴ、ワシントンでもライドシェアリグサービスを提供している。また、外部に同社のライドシェアリングプラットフォームを使用するライセンスも付与している。

メルセデスベンツ・バンは新合弁会社に5,000万ドルを投資する。合弁会社のサービスには主に、「ヴィト・ツアラー」(9シート)と「Vクラス」(8シート)を投入する予定。また、ダイムラーのモビリティ事業子会社であるダイムラー・モビリティー・サービスは、戦略投資家としてViaに資本参加する。

メルセデスベンツ・バンとViaは2015年から協力関係にある。両社は新合弁会社の運営のほか、将来に向けたモビリティサービスの改良・開発、新しいソフトウエアやセンサーの開発、電気自動車の投入、自動運転機能の導入などでも協力する。