独自動車大手のダイムラーは23日、交換用の電気駆動車用バッテリーモジュールを使用した定置用蓄電システムが操業を開始したと発表した。ダイムラーによると、交換用電池は、性能を保持するため、在庫として保管中も定期的に充放電を行う必要がある。このため、交換用電池を蓄電システムに活用して、いわゆる「生きた在庫」とした。蓄電した電力は、電力網の需給を安定させるための一次予備電力(primary control power)に使用する。
この蓄電システムは、ダイムラーの100%子会社で定置用リチウムイオン蓄電池を開発・販売するメルセデス・ベンツ・エナジーとドイツの自治体系エネルギー供給会社エナーシティー(ハノーバー・シュタットヴェルケ)が共同で建設した。ハノーバーのヘレンハウゼンにあるエナーシティーの拠点にあり、蓄電容量は2018年初めに17.4メガワット時(MWh)となる計画。
ダイムラー傘下の超小型車ブランドであるスマートの電気自動車「スマート・エレクトリック・ドライブ」の第3世代モデル向けの交換用バッテリーモジュール3,240個を使用する計画で、これまでに1,800個の設置を終えている。
「スマート・エレクトリック・ドライブ」の第3世代モデルは2012年から販売しており、スマート用の車載電池はダイムラー子会社のアキュモーティヴが生産している。