ドイツ鉄道、自動運転バスの公道運行を開始

ドイツ鉄道(DB)は25日、ドイツ南東部のバート・ビルンバッハにある保養地で小型の自動運転バスの公道運行を開始した。町の中心部から公衆浴場までの約700メートルを2台が走行する。バスには緊急時の運転に対応する乗員1人が乗車している。DBは今後、鉄道と道路交通の連携を強化していく方針であり、今回のようなプロジェクトを通して、自動運転車両の運行経験を積むと共に、自動運転技術や利用者の理解を深めていく。

バート・ビルンバッハを走行するのは、フランスの新興企業イージーマイル(EasyMile)が開発した小型シャトルバス「EZ10」で、公道運行に向けた開発では、イージーマイルのほか、独技術監査大手のテュフ・ズュードや自治体の協力を得た。

座席数は6席で、バッテリーの稼働時間は最大14時間。当初は、30分毎に午前10時から午後18時まで運行する。3カ所の停留所があり所要時間は8分となる。2018年からは町の中心部と駅を結ぶルートも加わり、所要時間は15分に拡大する。バスの最高速度は時速40kmだが、運行時では時速15kmに制御している。

また、同モデルは現在、一定のルートを走行できるが、例えば、ルート上に駐車車両がある場合、自動運転で安全に停車することはできても、ルートを外れて迂回することができない。このため、乗員が1人乗り、緊急時の運転操作を行う。

■ 新ブランド「ioki」を発足

DBはこのほど、公共交通における自動運転や顧客の需要に応じて柔軟な移動サービスを提供するオンデマンドサービスを提供することを目的とする新ブランド「ioki」を発足した。

自動運転バスや運転手付き又は自動運転によるオンデマンドサービスにより、鉄道と道路交通の連携を強化し、地方で自家用車を持たない人も自由に移動できる環境の整備を強化していく方針を示している。

DBはハンブルクでは、2018年に公共近距離交通の補足としてドライバーが運転するオンデマンド・シャトルサービスを開始する予定。また、自動運転バスの試験走行も計画している。

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