日本電産(京都府京都市)は11月30日、ドイツ法人を通じて、車載向け電子制御ユニット(ECU)のハードウエアおよびソフトウエアのシステム設計・開発を事業とするドイツ企業ドライブエクスパートの資本の100%を取得し、完全子会社とした。今回の措置により、車載部品の電動化が加速する中で成長市場となっている車載モーターおよびECU市場における競争力を強化する。
日本電産は、電動パワーステアリング(EPS)やエンジン冷却、電動オイルポンプ、電動ウォーターポンプ用など様々な車載モーターやモーター応用製品を製造している。これに対し、ドライブエクスパートはこれらの製品に使用するECUのハードウエアおよびソフトウエアの設計技術を持っている。
今回の買収により、日本電産は、同社の車載モーター技術とドライブエクスパートのECU設計による制御技術を組み合わせた高性能の製品を市場に提供することができる。また、ハードウエアとソフトウエアの両面から顧客ニーズに迅速に対応できる体制を整える。
ドライブエクスパートは2010年の設立で、独テューリンゲン州のイルメナウに本社を置く。2017年11月時点の従業員数は23人、2016年12月期の売上高は120万ユーロだった。
また、ドライブエクスパートはイルメナウ工科大学と共同研究や学生の受け入れによる人材育成などで協力関係にある。日本電産は、買収後も同社とイルメナウ工科大学との協力関係を継続していく方針を示している。