独業界紙『オートモビルボッヘ』が入手したドイツ自動車調査機関DATによるアンケート調査によると、同国で自動車メーカーの多くが実施している環境ボーナス(買い替え奨励金)では、ディーラーが回収した古いディーゼル車のうち約半数が、東欧やアフリカに輸出されているもようだ。DATの調査によると、ディーラーが買い替え奨励金を通して回収した古いディーゼル車のうち廃車にしたのは約53%にとどまっている。
ドイツでは、政府の呼びかけで8月2日にベルリンで行われたディーゼル車の環境対策に関する会議を受けて、自動車大手が相次いで、例えば年末までの時限措置として、古いディーゼル車から環境負荷の低い車両へ買い替える際に奨励金(環境ボーナス)を出すキャンペーンを開始した。
DATの調査によると、回収したディーゼル車の91~100%を廃車にしていると回答したディーラーは全体の39%にとどまった。全く廃車にはしていないと回答したディーラーは全体の16.8%、1~10%を廃車にしていると回答したディーラーは18.1%だった。
廃車にしていないディーラーの多くは、残存価値のあるディーゼル車を廃車にする理由はないとの考えから、中古車を東欧やアフリカに輸出する事業者に販売しているという。
『オートモビルボッヘ』紙が取材したケルンのディーラーによると、以前は、使用期間(車齢)が10年を超え、走行距離が10万キロメートルを超えた中古車の大部分は東欧に輸出されていたが、ウクライナ危機の影響で現在は、大部分がアフリカに輸出されているという。また、ポーランドのディーラーは、2017年下半期にドイツから中古ディーゼル車の供給が増えたとしている。