英GKNがメルローズの買収案を拒否

英エンジニアリング大手のGKNは12日、英投資会社メルローズ・インダストリーズが提示した買収案を拒否したと発表した。買収案はメルローズが一方的に提示したもので、GKNを過小評価していると説明している。GKNはまた、自動車部品部門と航空宇宙事業を分離し、収益改善を図る方針も明らかにした。

GKNは欧州の航空機メーカー、エアバスの主要サプライヤーであり、独フォルクスワーゲン(VW)や米フォードなどの大手自動車メーカーにも各種部品を供給している。GKNでは売り上げが順調に推移する一方、最終損益とキャッシュフローが目標を下回り、特に航空宇宙事業の収益が悪化。昨年10月に業績予想を下方修正したのを機に、株主の間で事業分割を求める声が高まっていた。

GKNによると、メルローズは今月7日に株式と現金によるおよそ70億ポンドの買収案を提示した。これはGKNの資産を1株あたり4.05ポンドと評価したもので、6日の終値に24%上乗せした水準。GKN取締役会はメルローズからのアプローチを「完全に日和見主義的」で「GKNとその将来性を過小評価している」と結論づけ、全会一致で買収提案を拒否した。

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