ダイムラーとBMW、カーシェアリング事業を統合へ=独紙

独自動車大手のダイムラーとBMWが、カーシェアリング事業の統合に向けて進めてきた交渉が最終段階にきているもようだ。2月にも事業統合を発表する見通しという。24日付けの独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』が報じた。ダイムラーとBMWは取材に対し、コメントを控えている。

ダイムラーは「カートゥーゴー(Car2go)」、BMWは「ドライブナウ(DriveNow)」のブランド名で、特定のレンタル拠点を設けず、一定の地域内に配置されている車両を自由に乗車・乗り捨てできるカーシェアリングサービスを提供している。

同紙によると、両社は、それぞれのブランドを残す方針であり、IT技術を含めたバックオフィス業務を統合し、コストを大幅に削減する計画。インターネットプラットフォームも共同で運営し、両社の顧客の利便性を向上させるもよう。

両社の事業統合は、米国のウーバーや中国の滴滴出行(ディディチューシン)など、配車サービスなどの新しいサービスを提供する米国やアジアの事業者に対する欧州勢の競争力を高める狙いがあると見られている。

■ 提携先も事業統合に合意か

ダイムラーとBMWのカーシェアリング事業の統合に向けた動きは、以前から憶測されていた。ただ、ダイムラーの「Car2go」には、欧州レンタカー大手のユーロップカーが25%を出資しており、BMWの「DriveNow」には、独レンタカー大手のシクストが50%を出資しているため、事業統合に向けては、それぞれの提携先の合意を得る必要があり、最終合意までに時間がかかっていたと見られている。

『フランクフルターアルゲマイネ』紙によると、シクストは少数株主として今後も資本参加するもよう。BMWとシクストは、持ち分の一部やブランド権の売却についてすでに合意しているという。

■ 顧客数増加

「Car2go」、「DriveNow」のいずれも顧客数を伸ばしている。Car2goは、昨年、顧客数を前年比で30%増の約300万人に拡大させた。うち、ドイツの顧客は87万人を占めている。Car2goは、米国や中国にも進出している。

ドライブナウも昨年は、顧客数を前年比25%増の100万人に伸ばした。ドライブナウは基本的に欧州でサービスを展開しており、ドイツの顧客が全体の72万人を占めている。

保有車両は、Car2goが1万4,000台で、原則として傘下の超小型車ブランドであるスマートの車両を投入している。DriveNowは、BMWとMINIのモデルを約6,000台投入している。

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