コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)がこのほどドイツで実施した代替燃料バスに関する調査『E-Bus-Radar』によると、ドイツの自治体系交通事業者は電気バスの調達を増やしていく計画だ。2018年は162台の調達が決まっており、電気バスの総保有台数は2017年の171台から約2倍に拡大する。また、今後3年間で毎年3ケタ台の電気バスを調達する計画があり、ドイツにおける電気バスの保有台数は2021年末までに500台を大幅に超える見通しを示している。
PwCによると、ドイツの公共近距離交通事業者は現在、約4万台のバスを保有している。このうち、ハイブリッド車、架線から電力を供給するトローリーバス、燃料電池バスを含めた代替燃料バスは約530台で、ハイブリッドバスが357台で最も多い。また、電気バス171台のうち、トローリーバスが71台を占めている。また、代替燃料バスの80%以上が2010年以降に運行を開始している。
ただ、PwCでは、今後の代替燃料バスの調達では、ハイブリッドバスの需要は低く、純粋な電気バスへの関心が高いと指摘している。
PwCによると、ドイツの自治体系交通事業者では現時点で、2031年までに純粋な電気バスを821台調達する計画がある。都市別では、ヴィースバーデン(225台)が最も多く、ニュルンベルク(161台)、ダルムシュタット(82台)、ケルン(80台)、ハンブルク(70台)、ベルリン(49台)、ルードヴィヒスブルク(30台)などが続く。なお、今後さらに入札が公表されることも踏まえると、電気バスの調達規模はさらに増えると予想している。
■ 代替燃料バスの運行台数、ハンブルクが首位
PwCによると、現在、代替燃料バスが最も多いのは、ハンブルク(ハイブリッドバス60台、純粋な電気バス15台)とハノーバー(ハイブリッドバス62台)。
また、代替燃料バスの主要メーカーとしては、Solaris、Volvo、MAN、EvoBus MB、Hessの5社を挙げている。
PwCによると、現時点でドイツで電気バスの保有台数が最も多いのは下記の5都市となっている:
トローリーバス:ゾーリンゲン(50台)、エバースヴァルデ(11台)、エスリンゲン(10台)/純粋な電気バス:ハンブルク(15台)、ケルン(10台)/その他の自治体(75台)