ドイツ自動車工業会(VDA)は1月30日、ベルンハルト・マテス氏(61)が2018年3月1日付でVDAの新会長に就任すると発表した。2007年6月1日から約10年の長期にわたり会長を務めてきたマティアス・ヴィスマン現会長は、契約満了に伴い、会長職を退任する。ディーゼル車のスキャンダルや大気汚染対策などの問題に加え、自動運転やデジタル技術、モビリティサービスなど新しい分野での競争など、ドイツの自動車業界は多くの問題や課題に直面している。このような状況の中、新会長の対応に注目が集まる。
マテス氏は、米自動車大手フォードのドイツ法人フォード・ヴェルケの元社長として2002~2016年までの14年にわたりVDAの理事(2002~2004年はVDAの副会長)を務めた。同氏は、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の本社のあるヴォルフスブルクの出身。ただ、大学では経済学を専攻し、BMWに入社したという経歴を持つ。また、現在は、在独米国商工会議所の会頭を務めており、米国事情に詳しい強みを持つ。
ヴィスマン会長は連邦交通相を務めた元政治家で、ドイツの自動車産業の国際化などに尽力した。