スイスのキックボードメーカーであるマイクロ・モビリティ・システムズは1月24日、チューリヒで、小型電気自動車「Microlino」の量産前モデルを発表した。同社のWim Ouboter社長はスイスの『ハンデルスツァイトゥング』紙によるインタビュー記事の中で、今回披露したモデルは「量産モデルに95%近い仕上がりになっている」と説明している。同モデルは2年前のジュネーブモーターショーでプロトタイプが披露され、注目を集めていた。
「Microlino」は2人乗りで、前方のドアから乗降車する。コンパクトなデザインで、縦向きに駐車して歩道に降りることもできる。Ouboter社長によると、1台分の駐車スペースに「Microlino」3台を駐車することができる。最高速度は時速90キロメートル、フル充電時の走行距離は120キロメートルとなっている。
■ 2018年下半期に生産開始も
Ouboter社長が『ハンデルスツァイトゥング』紙に明らかにしたところによると、同モデルはこれまでに4,600件の予約がきている。ただ、公式な受注はまだ受け付けていないという。予約の半数は女性で、エネルギー事業者など法人からも予約を受けているという。
量産化に向けては、2016年4月にイタリアの自動車メーカーTazzariと合弁会社を設立した。イタリアにあるTazzari の工場で同モデルを生産する。Ouboter社長によると、2018年下半期に500~700台を生産する見通し。販売価格は1万2,000ユーロ(付加価値税抜き)を目指しているが、生産コストが下がれば、将来さらに値下げできると見込んでいる。
年内にチューリヒとミュンヘンで販売を開始する計画。国外からも問い合わせがあるが、輸出するよりも、国外では、ライセンス生産を検討しており、2019年末までに2~3件のライセンス・パートナーの獲得を目標にしている。