排ガス不正で無制限の罰金と刑事罰、英政府が新ルール提案

英政府は1日、自動車の排出ガス試験で不正を行ったメーカーに対し、金額無制限の罰金と刑事罰を科すことができる新たな規制の導入を提案した。独フォルクスワーゲン(VW)による排ガス規制逃れを受けた措置で、政府の権限で不正車を販売したメーカーや輸入業者に厳しい処分を下すことができるようにする。自動車業界や関連する各方面の意見を聞いたうえで、法案の策定を進める。

VWは試験時だけ排ガス浄化機能をフル稼働させる違法ソフトをディーゼル車に搭載し、有害物質の排出量を実際より少なく見せかけた不正車を販売していた。同社は米国では違法行為を認め、該当する車両の買い戻し費用や罰金などを含めて約150億ドルを支払うことで米当局と和解したが、世界全体で約1,100万台に上る不正車の大半を販売した欧州では、法を犯していないと主張して消費者への金銭補償を拒んでいる。英国ではおよそ120万台の不正車が販売された。

政府案によると、違法ソフトを搭載したメーカーだけでなく、不正車を販売した輸入業者も無制限の罰金と刑事罰を科される可能性がある。ただし、過去に遡って罰則が適用されることはない。

ノーマン運輸副大臣は声明で「英政府は引き続きVWの容認できない行為を重く受け止めており、将来の不正防止に向けて新たな措置の導入を検討している。英国で不正を行った企業は法的、金銭的な責任を取らなければならない」と強調した。

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