中国の自動車内装部品会社、延鋒汽車内飾系統(Yanfeng Automotive Interiors:YFAI)は6日、ドイツのノイスに新たにイノベーションセンターを開設した。総床面積は2,550平方メートル。様々な分野の従業員約40人が協力し、将来の自動車内装部材の研究開発に取り組む。YFAIはノイスに欧州事業の統括拠点を置いており、計600人が勤務している。うち、40人が新センターに入る。
具体的には、消費者・市場調査、産業デザイン、製品・プロセスイノベーション、ユーザーエクスペリエンス(顧客体験)など、さまざま分野の従業員を新センターに集約した。同センターを通して、従来の内装事業であるドアトリム、センターコンソール、インスツルメントパネルと並行して、新素材や新技術を取り入れた未来の内装部材の研究開発に取り組む。
同社は自動運転や電気駆動車、カーシェアリングなどの新しいトレンドや、新規事業者の市場参入など、自動車業界が直面している転換期において、変化に受け身的に対応するのではなく、積極的に関わっていく方針。
YFAIはノイス(ドイツ)のほか、上海(中国)、ホランド(米ミシガン州)、サニーベール(米カリフォルニア州)にイノベーションセンターを持つ。
YFAIは、米自動車シート大手のアディエント(旧ジョンソン・コントロールズの一部)と上海汽車工業集団(SAIC)傘下の自動車部品メーカー、華域汽車系統(HASCO)の完全子会社である延鋒汽車飾件系統(Yanfeng Automotive Trim Systems)が2015年に設立した合弁会社。出資比率は、Yanfengが70%、アディエントが30%。本社を上海に置き、世界20カ国に約110の製造・開発拠点を持つ。従業員数は世界全体で3万3,000人を超えている。