ダイムラー、新生産棟でロボットタクシーなど生産

独自動車大手のダイムラーは20日、ドイツ南部のシンデルフィンゲンにあるメルセデスベンツ工場で新しい生産棟「ファクトリー56」の定礎式を行った。最新の生産技術を投入するとともに、生産工程における環境負荷の低減にも配慮した設計で、「デジタル、フレキシブル、グリーン」をスローガンとしている。同生産棟は、2020年代の初めに操業を開始する予定。上級・高級クラスの乗用車や電気自動車、ロボットタクシーなどを生産する。例えば、次世代「Sクラス」、新ブランド「EQ」の最初の電気自動車などを生産する予定。

「ファクトリー56」の用地面積は22万平方メートルで、サッカー場約30面の広さに相当する。人工知能、ビックデータ解析、生産設備の故障を未然に防ぐ予測メンテナンスシステムなどを導入した、未来型工場となる計画。物流や品質管理のほか、サプライヤーとの連携、開発・デザイン・生産部隊の連携、顧客との連携などにもデジタル技術を活用する。

ダイムラーは、新しい生産棟は人を中心にした工場であり、柔軟で近代的な労働モデルを導入する、と説明している。例えば、デジタル技術は、従業員と機械の連携にも活用し、無人輸送システムにより生産ラインの従業員に必要な部材を供給する仕組みなどを導入する。

また、自然光を取り入れた設計や再生可能エネルギーの活用、二酸化炭素(CO2)排出量の削減、水使用量や廃棄物の削減など、環境負荷の低減にも注力している。

独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、同生産棟では約1,000人が勤務する見通し。

上部へスクロール