独ダイムラー、乗用車の生産能力を2020年までに300万台に拡大

独自動車大手のダイムラーは、グループの乗用車の生産能力を大幅に拡大する。ダイムラーの乗用車部門メルセデスベンツ・カーズの生産・サプライチェーン管理を担当するマークス・シェーファー取締役は、独業界紙『オートモビルボッヘ』に対し、「世界的な生産ネットワークにおける当社の工場では、稼働率が高水準に達している。このため我々は市場の近くで生産能力を拡大しており、年300万台の方向で進んでいる」、と明らかにした。

メルセデスベンツ・カーズでは、2020年までに、メキシコ、ハンガリー、中国の3カ国で大型工場が操業を開始する予定。背景には、メルセデスベンツのラインアップを、約40モデルに拡大する計画がある。

メルセデスベンツと超小型車ブランドであるスマートも含めたダイムラーの乗用車部門メルセデスベンツ・カーズの2017年の販売は前年比8.8%増の242万4,369台に拡大した。

■ 2020年までに3工場が操業開始

メキシコ中部のアグアスカリエンテスでは、コンパクトクラスのモデルを生産する日産とダイムラーの合弁工場が2018年第3四半期にメルセデスベンツのモデルの生産を開始する予定。『オートモビルボッヘ』紙によると、同合弁工場は年約23万台の生産能力を持つ。

ハンガリーのケチケメートでは、2019年末までにメルセデスベンツの第2工場が完成する予定。既存のケチケメート工場では2012年から前輪駆動のコンパクトカーを生産しているが、第2工場では、前輪駆動と後輪駆動の車両を生産する。

ダイムラーは2018年2月には、中国の北京に第2工場を建設すると発表した。

■ 北京に第2工場を建設

中国では、北京汽車(BAIC)との合弁会社である北京ベンツ・オートモーティブ(BBAC)の生産能力を増強するため、第2工場を建設する。同工場では、メルセデスベンツの新ブランド「EQ」の電気自動車も含めた「中国向け中国産(Made in China, for China)」のメルセデスベンツモデルを生産する計画で、2019年から、新ブランド「EQ」の最初のモデル「EQC SUV」の生産を開始する予定。

シェーファー取締役は『オートモビルボッヘ』紙に対し、「新工場では当初は15万台から20万台を生産することができる」と明らかにした。生産モデルについては今後決定するという。

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