FCAが部品子会社を分離上場へ、中核の乗用車製造に集中

欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は5日、傘下の自動車部品大手マニエッティ・マレリを分社化すると発表した。2019年初めまでに創業99年のマニエッティ・マレリを本社から分離し、ミラノ証券取引所に上場する方針。FCAは部品事業を切り離して中核の乗用車製造に集中し、電動化や自動運転への取り組みを加速させる。

マニエッティ・マレリは1919年設立の老舗自動車部品メーカー。自動車用ライトやパワートレイン、電装部品などの製造を手がけ、19カ国に生産拠点を置く。従業員は約4万3,000人で、16年の売上高は79億ユーロだった。

FCAはセルジオ・マルキオーネ最高経営責任者(CEO)の指揮下で、商用車や産業機械製造のCNHインダストリアルや高級車ブランドのフェラーリを分離し、上場させている。マニエッティ・マレリの分社化は、同社が6月1日に発表する5カ年事業計画の一環。マルキオーネ氏は声明で「分社化によってFCAの株主に利益をもたらすと共に、これから先のマニエッティ・マレリの成長戦略に必要な柔軟性を確保できる」とコメントした。

マニエッティ・マレリを巡っては、16年に韓国のサムスン電子が買収に乗り出したが、関係者によると、サムスンは事業の部分取得を目指していたため、交渉は成立しなかった。

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