べバスト、中国のルーフ工場の生産能力を増強

自動車用ルーフシステムなどを生産する独ベバストはこのほど、中国の広東省広州市に新工場を開設した。中国では大型のパノラマルーフの需要が伸びていることから、新工場への移転によりルーフシステムの生産能力を増強する。また、新工場の開所式では、2017年通期決算における中国の売上高が初めて10億ユーロを超えたと発表した。これは同社の売上高全体(約35億ユーロ)の約3分の1に相当する。

ベバストは2006年から広州でルーフシステムを生産している。旧工場は賃貸契約していたという。新工場は、既存の建物を全面改装した。新工場は、敷地面積は約6万5,000平方メートル、床面積は約3万平方メートルで、今後さらに建物を拡張できる余地がある。

べバストは新規事業としてバッテリー生産に参入する計画があり、同社のホルガー・エンゲルマン社長は開所式で、広州の新工場で将来、バッテリーを生産することもできる、との見解を示した。

新工場は、旧工場から約500メートルの近距離にあるため、段階的に生産設備を移管することにより、移管作業中も安定した生産能力を確保することができた。広州工場の従業員数は、現在の約500人から600人超に拡大する予定。また、新工場では将来、最大で年160万ユニットのルーフを生産することができる。

製品は主に、東風日産、一汽大衆(FAW VW)、広州ホンダなど、周辺地域に工場を持つ国外企業と現地企業による合弁会社に供給する。

■ スライド/パノラマルーフの搭載率、中国は約40%

べバストのエンゲルマン社長は独dpa通信に対し、同社は2017年に中国で620万ユニットのルーフを生産したと明らかにした。2018年には中国で11カ所目のルーフ工場を建設する計画という。同社長によると、スライドルーフまたはパノラマルーフの搭載率は平均して全体の3分の1だが、中国では同割合が約40%と、高い需要がある。

dpa通信によると、べバストは中国全体で約3,000人の従業員を抱えている。うち、200人は上海の拠点で研究開発に携わるエンジニアという。なお、ドイツには従業員約3,800人が勤務している。また、べバストは2017年の売上高(前年比10%増)のうち、パノラマルーフおよびスライドルーフは26億4,000万ユーロ、暖房・冷却システムは5億5,000万ユーロ、カブリオレ用ルーフは3億1,000万ユーロだった。

また、エンゲルマン社長はdpa通信に対し、バッテリー事業では2018年中にも最初の顧客を獲得できる見通しを示している。

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