日野自動車(東京都日野市)と独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)・グループの商用車子会社フォルクスワーゲン・トラック・アンド・バスは12日、戦略的協力関係構築の枠組みに関する合意書(SCFA)に署名したと発表した。「技術」「商品」「地域」の観点において幅広い協業の可能性を検討していく。両社によるアライアンス委員会を設置し、長期的かつ対等な協力関係の方向性を議論していく意向を示している。
アライアンス委員会は、両社の最高経営責任者(CEO)、役員級のメンバーで構成される。両社はそれぞれの独立性を維持した形で、実際的、効率的な組織運営を目指す意向を示している。
発表によると、両社は「様々な顧客に最高の価値を提供する」という共通の価値観のもと、「物流/交通ソリューションの研究」、「既存および将来技術」「調達、販売/サービス」などの分野において協力を検討していく。
技術分野には、既存の内燃パワートレーン、ハイブリッド、電気駆動、コネクティビティ(接続性)、自動運転システムなどが含まれる。例えば、既存の内燃パワートレーンにおける協業の可能性、将来の輸送を踏まえた新技術領域における協力の可能性などを模索していく。
世界市場における地域面では、日野は主に日本およびアジア市場に強く、米国を含め、80を超える国や地域でトラック・バスを販売している。一方、VW側は、傘下のブランドMAN、スカニア、カミーニョス・エ・オニブス(Volkswagen Caminhoes e Onibus)を通じて欧州およびブラジル市場に強い。また、北米ではナビスター、中国では中国重汽(Sinotruk)と協力関係にある。