在露ドイツ商工会議所(AHK)は、AHK加盟企業を対象に、米国政府が4月6日に発表したロシアに対する追加制裁に関するアンケート調査を実施した。米国政府は同日、新たに制裁対象とする企業・個人を記載した特別指定国民(SDN)リストを公表した。同リストには、ロシアの商用車大手GAZグループ、国営ガス会社ガスプロム、アルミ大手ルサール、複合企業レノバ・グループなど、ドイツ経済界と深い協力関係にある企業も記載されている。AHKの調査は4月11~20日に実施、約800社の加盟企業のうち154社から回答を得られた。
同調査によると、追加制裁の影響が「極めて大きい」(8%)、「大きい」(25%)と回答した企業は全体の3分の1を占めた。「中程度」(35%)も約3分の1を占め、残り3分の1は「ほとんどない」(20%)と「全くない」(12%)と回答した。
具体的な影響については、売上高・出荷の減少、事業機会・潜在顧客の喪失、プロジェクトのキャンセル、国外投資家の自制、新規プロジェクトの延期、ルーブル安によるロシア国民の購買力低下、などが挙げられた。
一方、今後のロシア市場における活動・投資に関しては、「同水準を維持する」(70%)が大部分を占めた。「引き上げる」(20%)は2番目に多く、「削減する」(10%)は少数にとどまった。
また、連邦政府の対応に関しては、3つの選択肢のうち、「追加制裁を公に批判し、ドイツの企業や企業の代表がロシア事業を理由に米国から告訴されないよう動くべきだ」(79%)を選んだ企業が最も多かった。「公の批判よりもロビー活動を優先し、連邦政府は舞台裏で米国政府に対しドイツの企業や企業の代表がロシア事業を理由に米国から告訴されないよう動くべきだ」(19%)は全体の約5分の1、「ドイツ企業は米国の追加制裁を守り、ロシア事業を制限すべきだ」(3%、154社中4社)は少数にとどまった。