独ティッセンクルップと印タタ、欧州事業統合で本契約

独鉄鋼大手のティッセンクルップとインドの同業タタ・スチールは6月30日、折半出資の合弁会社を設立し、欧州の鉄鋼事業を統合する計画について拘束力を持つ契約を締結した。両社は同計画について2017年9月に基本合意していた。当該計画の実現には、欧州連合(EU)など当局の認可が必要となる。

新合弁会社の社名はティッセンクルップ・タタ・スチールとし、持ち株会社をオランダのアムステルダム近郊に置く。監査役会と取締役会には両社から同数の役員を送り込む。

デューディリジェンス(資産の適正評価)を実施した結果、事業統合による業務効率化により、年4億~5億ユーロのコスト削減などのシナジー効果が見込まれている。昨年9月の基本合意では年4億~6億ユーロのシナジー効果を見込んでいたが、1億ユーロほど下方修正した。

また、両社の評価差額を埋め合わせるための方策も明らかにした。合弁会社の株式を公開する場合、◇株式公開による収益の分配率を55対45とし、ティッセンクルップが高い割合を得る◇株式公開の時期はティッセンクルップが独自に決定することができる――ことなどで合意した。

従業員は今後数年かけて、管理部門と生産部門で最大4,000人を削減する見通し。人員整理の規模はほぼ両社半々となると説明している。

2020年からは、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の結果や影響など事業環境を踏まえ、生産体制の見直しに入る。

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