ドイツの自動車大手ダイムラーと部品大手のボッシュはこのほど、自動運転バレットパーキングサービスに関する共同研究開発プロジェクトの成果を中国の北京で披露した。
バレットパーキングはホテルなどで顧客の運転してきた車を係員が代わりに駐車し、外出時には玄関まで出してきてくれるサービス。今回のプロジェクトでは同様のサービスを、スマートフォンを介した自動運転で行う。
利用者は、ドロップオフエリアで車から降り、スマートフォンで空いている駐車スペースに自動運転で駐車するよう指示する。再び車を使用する際には、車両が自動運転でピックアップエリアまで出てくる。駐車施設に設置されたセンサーが走路を監視し、車両に運転操作を指示する仕組み。車両は駐車場のインフラから出された指示に従って指定の場所に移動・駐車する。
両社は2017年にドイツのシュツットガルトにあるメルセデスベンツ博物館で当該プロジェクトの成果を初めて披露した。中国での披露は今回が初めてとなる。自動運転による駐車では、駐車スペースを効率的に利用できるため、従来に比べ車両を最大で20%多く駐車させることができると見られている。
■ ダイムラー、2005年から現地で研究開発
ダイムラーは、メルセデスベンツ「Eクラス」の中国での現地生産に伴い、同国における研究開発活動を2005年に開始した。その後、現地の顧客ニーズへの対応を強化するため、北京の研究開発センター(Mercedes-Benz Research & Development China)を2014年に開設した。
ダイムラーは、同センターでは今後、中国市場向けの「CASE」(「接続性(Connected)」、「自動運転(Autonomous)」、「シェアリング及びサービス(Shared & Service)」、「電気駆動(Electric Drive)」)分野の研究に注力していく方針を示している。