自動車向け内装品・シート製造大手の独グラマーは9月24日、ハルトムート・ミュラー最高経営責任者(CEO)、ジェラルド・コルドニエ財務担当取締役(CFO)、マンフレート・プレッチャー技術担当取締役(COO)の取締役3名が、クラウス・プロープスト監査役会長に辞任の意思を表明したと明らかにした。3名の辞任は、経営権の移動が発生した場合に適用されるチェンジオブコントロール(COC)条項の枠組みによるもの。
中国の自動車部品メーカー、寧波継峰汽車零部件は6月末、グラマーの株主に対し、買収提案を提示した。同提案に応じた株主の持ち分と、寧波継峰汽車零部件がグループ会社を通してすでに保有しているグラマーの株式を合わせると、寧波継峰汽車零部件のグループ会社によるグラマーの株式保有率は84.23%(9月10日時点)となっている。
グラマーは今回の取締役3名の辞任により、従業員や拠点の保持などに関する買収提案時の合意(BCA:Business combination agreement)に変更は発生しないと説明している。また、3名の後任探しはすでに開始しているという。
ミュラー氏は2010年からグラマーのCEOを、コルドニエ氏は2015年からCFOを、プレッチャー氏は2010年からCOOを務めていた。ミュラー氏とコルドニエ氏は2018年12月末に、プレッチャー氏は2019年2月に同社を退職する予定。
メディア報道によると、同社のCOO条項では、2年分の年俸の150%が支払われる。これにより、ミュラー氏には414万ユーロ、コルドニエ氏とプレッチャー氏にはそれぞれ、約230万ユーロが支払われる。