独高級車大手アウディのハンガリー子会社アウディ・フンガリアは、賃上げを求めて24日から実施していた1週間のストライキが1月30日夕方に終了し、すべての生産業務を再開したと発表した。労働側が求めていた18%の賃上げで労使合意した。
今回のストライキにより、ハンガリーのジュール工場で生産しているエンジンの供給が滞り、アウディの親会社であるフォルクスワーゲン(VW)・グループの複数工場が影響を受けた。
ドイツのインゴルシュタットにあるアウディの本社工場が生産を休止したほか、SUVモデルのVW「トゥアレグ」、ポルシェ「カイエン」、アウディ「Q7」を生産しているスロバキアのブラチスラバ工場、ポルシェの「カイエン」、「パナメーラ」、「マカン」を生産しているドイツのライプチヒ工場も影響を受けた。
他の工場では、生産の速度調整や、ジュール工場製のエンジンを搭載していない他のバリエーションの生産を前倒しするなどして対応したという。ドイツのネッカースウルム工場では十分な在庫を確保していたため、これまでのところ生産ラインの停止には至っていない。
アウディ・フンガリアの従業員数は現在、1万3,084人。2018年はエンジンを195万4,000基、自動車は10万台を生産した。
メディアが引用したハンガリーの統計当局の情報によると、同国の車両製造における平均所得(額面)は月約37万フォリント(約1,200ユーロ)。今回のストライキでは、18%の賃上げと給与水準を段階的に中東欧の他の工場と同水準に引き上げていくことを求めていた。