独自動車部品大手のマーレは3月25日、景気後退など事業環境の変化に対応するため、コスト削減を実施すると発表した。市場の不安定化や売上高の減少を受けて今後の見通しが悪化しているためで、2018年初めに開始した利益率改善を目指すプログラムに加え、さらにコスト削減を強化する。
具体的には、出張や見本市、イベント、国際的なミーティングなどに関する諸経費を抑えるほか、調達コストや人件費も削減する。なお、ドイツ国内の事業所では2019年末まで経営上の理由による解雇を実施しないことで合意している。国外拠点については、各国・地域における従業員の余剰や不足(キャパシティ)を確認するほか、持続的な利益の確保が難しい拠点や製品分野における事業の立て直しを加速する。
マーレはコスト削減の理由について、景気後退のほか、貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱など政治的な不透明感、自動車の電動化への転換期における投資増加、規制強化への技術面での対応、ディーゼル車を中心とした販売台数の減少などが今後の事業見通しを悪化させている、と説明する。
また、マーレのイェルク・ストラートマン社長は今回の措置について、「マーレ・グループの変革を今後も徹底して推し進め、将来も業界における技術の推進役であり続けるためには、強い収益力が必要になる。現在の事業環境においては、パフォーマンスの向上や構造改革をさらに強化する必要がある」と述べ、コスト削減の意義を強調した。