太陽エネルギー・水素研究センター(ZSW)、カールスルーエ技術研究所(KIT)が電池の研究機関として2011年に設立したヘルムホルツ・ウルム研究所(HIU)、イエナ大学(FSU)の3パートナーがナトリウムイオン電池の研究プロジェクト「TRANSITION」で協力している。実施期間は3年で、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)が115万ユーロを資金支援している。
リチウムイオン電池に使用されているリチウムやコバルトは、携帯機器や電動車の普及が進み、需要が拡大すると、長期的な確保が困難になり、コストが上昇する懸念がある。このため、同プロジェクトでは、リチウムイオン電池の代替技術として、ナトリウムイオン電池の材料や電解質などを研究し、プロトタイプを製造する計画。ドイツにおける持続可能な蓄電戦略に寄与するのが狙い。
同プロジェクトでは、電池のカソード材料として遷移金属酸化物、アノード側にはバイオマス由来のハードカーボンを使用している。材料開発からセルのプロトタイプ製造までを網羅する。