独炭素製品大手のSGLカーボンは2日、英国のナショナル・コンポジット・センター(NCC)と航空、輸送、石油・ガス業界向けの複合素材に関する開発で協力すると発表した。複合素材の材料や部品、生産技術の開発で協力する。
開発分野の一つは、航空産業向けの構造部品で、ブリストルにあるNCCの研究拠点で現在、開発プログラムを策定している。多方向に積層した繊維束を加工したノンクリンプ織物(NCF)のような炭素繊維ベースの繊維基材の活用などを計画しており、年内にSGLカーボンの炭素繊維基材をベースにした複合素材を使用して、デモ用部品や航空機の翼に使用する部品のプロトタイプを生産する計画。
NCCは、英国の産業育成プログラムの一環として発足した「HVM Catapult(高付加価値製造業カタパルト)」を構成する7つの研究センターの一つで、複合素材を使用した製品の開発や製造工程の商業化をサポートしている。