独自動車大手ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は22日、同社がベルリンで開いた株主総会で社長および乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズの責任者を退任した。新社長には、オラ・ケレニウス取締役(開発担当)が就任する。同氏は、メルセデス・ベンツ・カーズの責任者も引き継ぐ。また、同日には、2004年12月から財務を担当してきたボド・ユッバー取締役も退任した。
ツェッチェ氏は、1976年にダイムラーでのキャリアをスタートし、同社に40年以上勤務してきた。社長は2006年1月から13年間に渡り務めた。なお、ツェッチェ氏は、2年のクーリングオフ期間を経て、2021年の株主総会で監査役会会長に就任する予定。
同日の株主総会では、「未来プロジェクト(Projekt Zukunft」と名付けられた組織再編計画も承認された。上部組織ダイムラーの傘下に、メルセデスベンツ(乗用車・軽商用車)、ダイムラー・トラック(商用車:トラック、バス)、ダイムラー・モビリティ(モビリティサービス)の法的に独立した3子会社を置く組織体制とする。
ダイムラー・モビリティは、すでに法的に独立しているダイムラー・ファイナンシャル・サービスズを前身とし、2019年7月24日から社名をダイムラー・モビリティに変更する。メルセデスベンツ、ダイムラー・トラックの2社は、商業登記を経て、2019年11月1日から新組織として事業を開始できる見通し。両社とも上部組織のダイムラーおよびダイムラー・モビリティと同様に、組織形態は株式会社とし、本社はシュツットガルトに置く。
新社長のケレニウス氏はスウェーデンの出身。2015年にダイムラーの取締役に就任し、2017年1月からダイムラーグループの研究担当取締役およびメルセデス・ベンツ・カーズの開発責任者を務めていた。