仏自動車大手のルノーは16日、パリで開催された技術系見本市「VIVA テクノロジーフェア」で、フランス郵政公社(ラ・ポスト)と共同で完全電気駆動の配達用車両「EZフレックス」を使った実験事業を行うと発表した。将来の都市配達の効率的な在り方を探ることが狙いで、10台の同モデルを専門家や企業、自治体、地域コミュニティなどに貸し出して2年間に渡って実施する。コンパクトで低排出の同モデルを使い、配達員と都市環境の双方の負担を和らげるモビリティソリューションの開発につなげる。
ラ・ポストによると、小包配達員の乗降回数は1日に100回以上に及ぶ。実験ではEZフレックスが搭載する複数のセンサーを通じて車両の運用データを収集し、ラ・ポストからのフィードバックと合わせて日々の配達業務の実情や課題を洗い出す。同実験の実施に向け、すでに国内の15都市と協定を結んでいる。
ルノーの以前の発表によると、EZフレックスは全長3.86メートル、全幅1.65メートル、全高1.88メートルで、荷物室容量は3立方メートル。最小回転半径は4.5メートルと操縦性に優れる。都市部における1日の配達の平均走行距離が50キロメートルであることを踏まえ、最大航続距離で150キロメートルを確保している。