ドイツ連邦政府は5月22日、ドイツにおける研究開発を税優遇する法案を閣議決定した。これにより、国内企業の研究開発を支援するとともに、研究立地としてのドイツの国際的な競争力を強化し、研究開発に積極的な国外企業の誘致や国外からの研究開発分野の人材確保を支援する。同法は2020年1月1日から施行される予定。
連邦政府は、国内総生産(GDP)に占める研究開発投資の割合を現在の3%から2025年までに3.5%に引き上げる目標を掲げている。直接的なプロジェクト支援に加え、税優遇措置を実施することで当該目標の達成を目指す。
また、ドイツは経済協力開発機構(OECD)に加盟する36カ国のうち、研究開発を税優遇していない5カ国に入っており、今回の助成制度の導入により、研究立地としてのドイツの国際的な競争力を強化する。
税優遇による支援額は1社あたり年間で最大50万ユーロ。R&Dの人件費(人件費の25%)や研究の外部委託などが対象となる。連邦政府は、今回の措置により特に、小規模・中堅企業の研究開発を強化できると期待している。赤字決算となっても税控除を受けられるようにすることで、黒字化していない新興企業なども同制度を利用できるようにした。なお、プロジェクト支援金で賄われている人件費については助成の対象外とする。