電動の垂直離着陸機(VTOL)を開発するドイツの新興企業リリウムは5月16日、5人乗りの電動VTOLのプロトタイプを発表した。2017年に試験飛行を実施した2人乗りモデルをベースに開発したもので、5月4日には、遠隔操作による垂直離陸の試験飛行を初めて実施した。2025年に「空飛ぶタクシー」による移動サービスを商用化する計画で、すでに国内外の都市と協議している。
今回発表した5人乗りのプロトタイプは、電動ジェットモーター36基を搭載し、垂直に離着陸できる。最高速度は時速300キロメートル。1回のフル充電で300キロメートルを飛行することができる。
リリウムは、当該モデルでは、空港や中央駅までといった市街地における近距離の移動だけでなく、地域の自治体間の移動も可能としている。また、タクシーと同水準の料金でより速く移動できるサービスを提供できるとしている。
リリウムは2015年の設立で、本社をミュンヘン近郊のヴェスリングに置く。従業員数は現在300人を超える。ベンチャーキャピタルのアトミコや中国のインターネット大手テンセント(騰訊控股)などからこれまでに1億米ドルを超える資金を調達している。