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2019/6/7

一般・その他

英と離脱案めぐる再交渉しない、欧州委員長が言明

この記事の要約

欧州委員会のユンケル欧州委員長は5月28日、欧州連合(EU)と英国が合意した離脱協定案について、再交渉に応じないことを改めて言明した。退陣するメイ英首相の後継候補が再交渉を求めていることをけん制した格好だ。メイ首相は5月 […]

欧州委員会のユンケル欧州委員長は5月28日、欧州連合(EU)と英国が合意した離脱協定案について、再交渉に応じないことを改めて言明した。退陣するメイ英首相の後継候補が再交渉を求めていることをけん制した格好だ。

メイ首相は5月24日、英議会が離脱協定案を3度にわたって否決し、承認のメドが立たないことから、責任をとって与党・保守党の党首を6月7日に辞任すると発表。保守党の党首選を経て、7月末までに首相職も退くことになっている。

次期首相を選ぶ保守党の党首選では、これまでにジョンソン前外相、ハント元外相、ラーブ前EU離脱担当相など10人以上が出馬を表明している。党員の大半はEU懐疑派であることから、離脱強硬派の首相が選ばれる見通しだ。

英国内の離脱強硬派は、EUと政府が合意した離脱案のうち、英国領の北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題について、移行期間中に最終的な解決策で合意できない場合に期限付きで英国が関税同盟にとどまる「バックストップ(安全策)」と呼ばれる措置の導入が盛り込まれたことを問題視している。バックストップ適用中は英国が関税同盟に残留し、EUのルールに縛られるためだ。

このため、次期首相有力候補の多くは、離脱案の見直しに向けた再交渉をEUに要求する意向を表明している。しかし、EU側は再交渉に応じない方針を堅持しており、ユンケル委員長は記者団に対して「再交渉はない」と述べた。

首相候補のうちジョンソン氏とラーブ氏は、EUとの再交渉が行われず、離脱案が議会で承認されない場合は、新たな離脱期限となっている10月30日にEUとの合意がないまま離脱することも辞さない構えを示している。

一方、ハント氏は「合意なき離脱」は議会に拒否され、解散総選挙に追い込まれるため、欧州議会選で大敗したばかりの保守党にとって「政治的な自殺になる」として、離脱案を見直した上で議会の承認を取り付ける方針を打ち出している。

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