独鉄鋼系複合企業のティッセンクルップは10日、独ザールラント州ホンブルクにある自動車部品工場に8,000万ユーロを投じて最新鋭の鍛造プレスラインを設置すると発表した。同工場における過去最大の設備投資で、トラックのフロントアクスルを生産する。新規雇用は70人。すでに顧客のトラックメーカーと製品の長期供給契約を交わした。
新しい鍛造プレスラインは高度に自動化され、デジタル化されている。高さ約10メートル、重量1,700トン、最大プレス荷重は1万6,000トンで、同種のプレスラインとしては世界最大の規模という。ラインの設置面積は1万2,000平方メートル。年産能力は36万個で、必要に応じて鍛造クランクシャフトなど他の製品も生産できる。2020年初頭に設置作業などを開始し、21年初頭から稼働する予定。
ホンブルクの工場は同社の鍛造事業の中核拠点となっている。同事業部門を率いるアレクサンダー・ベッカー博士は今回の投資について「世界的に関税引き上げのリスクと物流コストの上昇が懸念される中、欧州からの確実な部品供給を実現するものだ」と述べた。