Siemens:シーメンスのゲルリッツ工場内にイノベーションキャンパスを設置

ドイツの電機大手シーメンス、フラウンフォーファー研究機構、ザクセン州政府は15日、ザクセン州のゲルリッツを長期的に強化し、かつて褐炭産業で栄えたラウジッツ地方の構造転換を支援する内容の趣意書に署名した。具体的には、シーメンスのゲルリッツ工場の敷地内にイノベーションキャンパスとスタートアップ・アクセラレーターを設置する。

イノベーションキャンパスおよび新興企業を支援するスタートアップ・アクセラレーターでは特に、デジタル化、自動化、エネルギー技術、革新的な材料、生産技術の分野に重点を置く。イノベーションキャンパスには、技術分野の企業や新興企業、研究機関が入居する予定。

独東部のラウジッツ地方はかつて褐炭産業が盛んであった地域で、石炭産業の衰退に伴い、同地域の産業構造の転換が課題となっている。ゲルリッツ工場では1906年から産業用タービンを生産しており、現在は、従業員約800人が勤務している。

水素研究の実験室を整備

これに加え、シーメンスとフラウンフォーファー研究機構はキャンパス内に、水素研究の実験室を設ける計画も発表した。水素の生成、貯蔵、利用などに関する研究を行い、ゲルリッツを長期的に水素技術のコンピテンスセンターとする計画。

シーメンスはさらに、ゲルリッツにおける工業プロセスの脱炭素に関する研究開発をさらに強化する意向を明らかにした。水素技術を活用してエネルギー需要の大きな工業分野における二酸化炭素(CO2)排出量を削減する研究や、CO2貯蔵技術などを研究する。また、ゲルリッツ工場を2025年までにCO2ニュートラルの工場とする計画も明らかにした。

ゲルリッツの拠点では、今回発表した一連の取り組みにより、今後5年間で約100人の新規雇用が創出される見通し。シーメンスとフラウンフォーファー研究機構は同プロジェクトの第一段階として、約3,000万ユーロを投資する。

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