ドイツ連邦経済省、エネルギー分野の新技術の実証試験を支援

ドイツのペーター・アルトマイヤー連邦経済相は7月18日、アイデアコンテスト「エネルギー転換のリアルラボ」の受賞者を発表した。計90件あった応募者の中から20のコンソーシアムが選ばれた。同コンテストは、将来性の高いエネルギー技術を実際の条件下において、産業規模で実証試験する取り組みを支援するもので、「二酸化炭素(CO2)排出量の少ない水素技術」をテーマとした。

アルトマイヤー経済相は発表に際し、「我々は水素技術で世界のナンバーワンになりたい。水素技術はエネルギー転換や気候保護において、さらには雇用創出においても、極めて大きな潜在性を持つ」と述べ、水素技術の重要性を説明した。

同コンテストでは例えば、再生可能エネルギー由来の電力を電気分解して水素を生成するための電解装置(エレクトロライザー)、エネルギー貯蔵などのプロジェクトが支援対象となる。

受賞者はこれから、助成金の申請手続きに入る。ドイツ連邦経済・エネルギー省(BMWi)は当該プロジェクトに年1億ユーロの予算を用意している。また、石炭産業など従来のエネルギー産業地域の構造転換を支援するため、構造転換地域で実施するプロジェクトについてはさらに2億ユーロの予算を確保した。

連邦政府は、リアルラボの支援を通して、エネルギー分野における新技術の研究成果の実用化を加速する。また、リアルラボを通して、新しい事業モデルが長期的に競争力を確保するためには、どのような法的枠組み条件の整備が必要かも見極めていく。

連邦政府は2019年末までに水素戦略を決定する予定。「リアルラボ」は水素戦略を構成する重要な要素の一つとなる。

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