独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は7月31日、オーストリアのソフトウエア会社has·to·beに小規模株主として資本参加すると発表した。has·to·beは電動車用の充電インフラのソフトウエアを提供している。VWは、has·to·beとの協力により欧州全域における充電インフラの整備を進め、顧客が簡単・快適に充電できるインフラ環境やサービスを提供していく。
VWはエネルギー子会社のエリ(Elli)を通してhas·to·beの資本の約25%を取得する。エリは、デジタル技術によるエネルギーとモビリティの連携(ネットワーク化)を目標としている。
トーマス・ウルリッヒ取締役(VWブランドのEモビリティ担当)はhas·to·beへの出資について、「電動車が早く普及(ブレークスルー)するためには、簡単で快適な充電が不可欠だ。そのためには、充電スタンドを増やすだけでなく、インテリジェントなネットワークを構築し、機能する必要がある。電動車の充電がスマートフォンの充電と同じくらい当然のことにならなければならない」と述べた。
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VWグループの充電ポイントにhas·to·beのソフトウエアを使用
VWは、グループの欧州拠点に2025年までに約3万6,000基の充電ポイントを整備する計画で、これらの充電インフラにhas·to·beのソフトウエアを使用する。
has·to·beは、オーストリアのラートシュタット(ザルツブルク近郊)に本社を置く。従業員数は約70人。自動車業界のほか、エネルギー業界や産業界にも顧客を持つ。自動車業界では、BMWグループ、ダイムラー、フォード・モーター・カンパニー、VWグループ(アウディ、ポルシェ)の自動車大手4社が設立した合弁会社イオニティ(IONITY)がhas·to·beのソフトウエアを採用している。