仏タイヤ大手のミシュランは25日、ドイツのハルシュタット工場(バンベルク近郊)を2021年初めまでに閉鎖すると発表した。同工場には現在、従業員858人が勤務している。段階的に閉鎖を進めていく計画で、従業員に対しては、受け皿会社への移籍、早期退職、配置転換などの支援措置を実施していく方針を示している。
ハルシュタット工場は1971年に開設された。主に16インチの乗用車用タイヤを生産している。ミシュランによると、同セグメントは、世界的に需要が急速に縮小しているほか、アジアのメーカーとの競争が激化している。このような状況の中、同社では2013年から6,000万ユーロを投資して競争力の強化に注力してきたものの、欧州の乗用車用タイヤ市場の構造転換に対応しきれず、閉鎖を決めたと説明している。
ミシュランは現在、世界に従業員約12万5,000人を抱えており、うちドイツでは5,400人が勤務している。メディア報道によると、トラック用タイヤを生産するフランスのラ・ロッシュ=シュル=ヨン工場も存続の危機に直面している。