ポルシェとボーイング、空飛ぶタクシーを共同開発

独高級スポーツメーカーのポルシェは10日、米航空機メーカーのボーイングと「空飛ぶタクシー」の開発で協力すると発表した。両社の強みやノウハウを生かし、都市部における空の移動(アーバン・エア・モビリティ:UAM)のプレミアム市場への参入を目指す。

ポルシェのデトレフ・フォン・プラテン取締役(販売・マーケティング担当)は「空飛ぶタクシー」市場への参入について、「ポルシェはスポーツカーメーカーから主導的なプレミアムモビリティ・ブランドへと発展していく。その際、長期的に第3次元も包括する可能性がある」とコメントした。

両社は現在、プロトタイプを開発している。プロトタイプの詳細は明らかにしていないが、純粋な電気駆動であり、垂直方向の離着陸が可能と説明している。

アウディとエアバスの共同プロジェクトはとん挫も=ANE紙

ドイツの自動車メーカーの「空飛ぶタクシー」への関心は高く、ダイムラーはドイツの新興企業Volocopterに出資している。フォルクスワーゲン(VW)・グループのアウディもボーイングの競合であるエアバスと同分野で協力関係にあったが、業界紙『オートモーティブニューズ・ヨーロッパ(ANE)』によると、両社の共同開発プロジェクトは中止となったもようだ。

同紙によると、アウディは都市部における空の移動に関する戦略を見直しているという。背景には、両社が計画しているコンセプトが技術的に複雑であることや「空飛ぶタクシー」の市場立ち上げの見通しがたたないことに加え、アウディのディーゼルエンジンの不正への対応がまだ完了していないことなどが理由と見られている。