独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は、ポルトガルのリスボンで11月4~8日に開催される技術会議「ウェブサミット」で量子コンピューターを使用した円滑な交通に関するパイロットプロジェクトを実施する。会議の出席者の移動を円滑にするもので、来場者数の予測と量子コンピューターによるバスの走行ルートの最適化の2つの技術を実証試験する。VWは今後さらに、ドイツや欧州の都市でパイロットプロジェクトを計画している。
今回のプロジェクトでは、VWグループ傘下のバス製造大手MANのバス9台にカナダのDウェーブの量子コンピューターを使用してVWが開発した交通管理システムを搭載する。また、26カ所のバス停留所と4つのルート(例えば、会場~リスボン中心部など)を設定した。
乗客数の予測では、VWの開発チームがデータ分析により乗客が増加する時間帯やバス停を予測する。
走行ルートの最適化では、量子コンピューターの活用により、ほぼリアルタイムでそれぞれのバスに対し目的地までの最速ルートを計算することできる。同システムの採用により、渋滞を回避するなどして交通の流れを円滑にし、移動時間を短縮することができる。
VWはこのような交通管理システムは、自治体や交通事業者、タクシー会社、フリートを持つ事業者などに需要があると見込んでいる。
VWは量子コンピューターの分野ではDウェーブ、米グーグルと協力関係にある。