カールスルーエ技術研究所(KIT)はこのほど、化石燃料の天然ガスであるメタンをガス状の水素と固体状の炭素に熱分解する技術を開発したと発表した。ドイツのポツダムにあるサスティナビリティ上級研究所(Institute
for
Advanced
Sustainability
Studies
e.V.
:
IASS)と共同で開発した。今後は、同技術の実用化に向け、石油・天然ガス大手のWintershall
Deaと共同プロジェクトを実施していく。
KITとIASSが共同開発した技術では、液体金属で満たした気泡塔型反応器の中でメタンを反応させると、メタンを水素と固体状の炭素に分解することができる。固体状の炭素は安全に保管できるほか、様々な産業分野で使用することができる。水素も電力や熱供給、モビリティ(移動)の分野で活用することができるほか、鋼鉄の製造など産業分野で使用することができる。
KITとWintershall
Deaは、まずは3年間の共同研究プロジェクトを実施して、この熱分解技術の実用化に向けた基盤を構築する計画。