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2019/11/22

企業情報 - 部品メーカー

独コンチネンタル、国内外4拠点を閉鎖

この記事の要約

同拠点には現在、約720人が勤務しており、ガソリンエンジン向けの油圧部品(インジェクション)を生産している。

リムバッハ・オーバーフローナ(ドイツ)では、2028年にディーゼルエンジン向けの油圧部品(インジェクション)の生産を停止する。

ルビーでは主に、アナログの表示・操作機器を生産しており、従業員約760人が勤務している。

独自動車部品大手のコンチネンタルは20日、構造改革プログラム「トランスフォーメーション2019‐2029」の一環として国内外4拠点を閉鎖する計画について、監査役会の承認を受けたと発表した。将来的に、内燃エンジン向けの油圧部品事業から撤退する。同日には、9月に発表したドイツのバーベンハウゼン工場の生産停止および特定の研究・開発業務の移管についても監査役会の承認を受けた。コンチネンタルは今後さらに構造改革プログラムを進めていく意向を示している。

排ガス規制の強化を受け、自動車業界は電動車への転換を加速している。これにより、内燃エンジン向けの油圧部品の需要は急速に落ち込んでいる。今回、閉鎖を決定したのは、ローディング、リムバッハ・オーバーフローナ(以上、ドイツ)、ニューポート・ニューズ(米国)、ピサ(イタリア)の4拠点。

ローディング(ドイツ)では、2024年にガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン向けの油圧部品(高圧ポンプ)の開発・生産を停止する。これにより、従業員520人が影響を受ける。

米バージニア州のニューポート・ニューズ(米国)は2024年に閉鎖する。同拠点には現在、約720人が勤務しており、ガソリンエンジン向けの油圧部品(インジェクション)を生産している。

リムバッハ・オーバーフローナ(ドイツ)では、2028年にディーゼルエンジン向けの油圧部品(インジェクション)の生産を停止する。現在、850人が勤務している。

ピサ(イタリア)では、2023~2028年にガソリンエンジン向けの油圧部品(インジェクション)の生産を停止する。現在、750人が勤務している。

今回の決定は、組織やポートフォリオの見直しにより経営効率や生産性を向上させ、将来の成長市場に集中するための構造改革プログラム「トランスフォーメーション2019‐2029」の一環に位置づけられる。将来の成長分野として、運転支援、自動運転、コネクテッドカー(つながる車)、移動分野の顧客向けサービス、タイヤ事業、産業向け・消費者向け事業の分野に経営資源を集中していく。

バーベンハウゼン工場、25年末までに生産停止

バーベンハウゼン(ドイツ)では、2025年末までに、計器盤やヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)などの表示機器や操作システムを開発・生産する事業ユニット(Instrumentation

&

Driver

HMI)の生産を停止する。また、特定の研究開発業務を2021年末までに他の拠点に移管する。これにより従業員2,200人が影響を受ける。なお同拠点では引き続き、当該事業ユニットの開発・管理業務を継続する。

スペインのルビーでも協議開始

コンチネンタルはさらに、スペインのルビーでは、現地の事業所委員会(労働側の代表機関)と将来の事業について結論がオープンな協議を開始した。ルビーでは主に、アナログの表示・操作機器を生産しており、従業員約760人が勤務している。

当該事業分野では、従来の計器盤からディスプレーへのシフトなど、急速なデジタル化が進んでいるうえ、高効率な生産システムを備える低賃金国の工場からの製品との価格競争に打ち勝たなければならない状況にある。

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