オランダのデジタル地図サービス大手トムトムは14日、アムステルダム大学(UvA)と共同で研究プロジェクト「アトラスラボ」を立ち上げたと発表した。自動運転車に不可欠な高解像度(HD)マップについて、人工知能(AI)を活用して精度を高めることを目指す。同プロジェクトはUvAおよびアムステルダム自由大学が主導するAI研究のイニシアチブの一環となる。
UvAはトムトムが持つデジタル地図ソリューションの知見を活かしてこれまで以上に高精度なHDマップを開発していく。アトラスラボのテオ・ゲーバー氏は「UvAではこれまでも画像や動画内の対象物を自動認識する技術を研究してきた。しかし、走行中の車から周囲を認識してHDマップを作製する技術は依然として大きな挑戦だ。トムトムとの提携により、新たな次元のAI研究が可能になる」と述べた。
アトラスラボでは博士課程に籍を置く5人の研究者が今後5年間、交通標識、車両の3D位置決め、車載カメラとLiDAR(ライダー)の組み合わせなどによる画像認識技術に関するプロジェクトに取り組む計画。必要なデータの取得にはトムトムの計測車両(モバイルマッピング)を用いる。