仏自動車大手PSAの独子会社オペルは2024年からドイツのカイザースラウテルン工場で自動車用バッテリーセルの生産を開始する。生産能力は年24ギガワット時(GWh)。これにより同工場では約2,000人の雇用が創出される予定。ドイツのペーター・アルトマイヤー連邦経済・エネルギー相、ラインラント・プファルツ州のマル・ドライヤー州首相、オペルのミヒャエル・ローシェラー社長などが7日、カイザースラウテルンで会見を開き計画を発表した。ローシェラー社長によると、当該プロジェクトへの投資は約20億ユーロとなる予定。
カイザースラウテルン工場では、2023年から段階的に3つのブロックを建設する。各ブロックの生産能力は8
GWhで、3ブロックを合わせた生産能力は24
GWhとなる。これは電気自動車約50万台分/年に相当する。
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独仏に計48
GWhのセル工場を建設
PSAとオペル、仏石油大手トタルの電池子会社サフトは自動車用電池セルを生産する合弁会社オートモーティブ・セル・カンパニー(ACC)を設立し、ドイツとフランスに生産能力計48
GWhの電池セル工場を建設する計画。ドイツはカイザースラウテルン、フランスではフランス北部のオー=ド=フランス地域圏に、それぞれ年24
GWhの生産能力を持つ工場を建設する予定。
トタルの1月30日付のプレスリリースによると、サフトはプロジェクトの第1フェーズとして、フランスのネルサック工場に研究開発に重点を置いたパイロットプラントを建設する。当該プラントは2021年半ばに操業を開始する予定。投資は2億ユーロで、約200人の雇用を予定している。
オー=ド=フランス地域圏に建設する工場は2023年に生産を開始する予定。当初の生産能力は8
GWhだが、その後24
GWhに引き上げる。ドイツの工場と合わせた生産能力は、2030年までに計48
GWhに達する予定。これは、電気自動車約100万台分、欧州市場の需要の約10~15%に相当する。トタルによると、欧州における市場規模は2030年に約400GWh(電気自動車700万台以上に相当)に拡大するとの予想がある。
独仏の電池セル工場のプロジェクト投資は総額で約50億ユーロとなる。このうち、欧州連合(EU)は欧州共通関心の重要プロジェクト(IPCEI)の枠組みから13億ユーロを支援する。
合弁会社ACCの出資比率は当初、PSA/オペルとサフトの折半出資とし、商用生産のフェーズに入る頃にサフトは出資比率を33%に引き下げる予定。